皆様ごきげんようカメです。(@katinapinnti)
クライマーの間では何かと話題の映画【フリーソロ】が地元でも2週間だけ上映されるということで鑑賞してきました。
※以下映画【フリーソロ】のネタバレあり
フリーソロとは究極のフリークライミングと言われています。
命綱などの安全確保道具を一切使わず、1人で岩壁を登るもっともピュアであり、まさに究極のクライミングスタイルなのです。
映画【フリーソロ】のあらすじを簡単にまとめると、クライマーのアレックス・オノルドが、今まで誰もフリーソロで登り切ったことのない米カリフォルニア州ヨセミテ国立公園の巨岩エル・キャピタンに挑む長編ドキュメンタリー映画。
高さ975mの断崖絶壁をロープなし、素手で登りきるそんな映画なのですが、すごいのはわかるけど岩登りの映画って盛り上がるのか?というのが観る前のフリーソロに対する印象でした。
ボルダリングは趣味なんですけど自分がやるのが楽しいタイプなので、正直映画はそこまで期待はしていなかったんですよね。
更にドキュメンタリーって静かに流れていく印象で退屈なのかなって思いもありましたし、現実はフィクションの様に起承転結を作るのが難しいので。
僕はそこまで映画好きという訳でもないので、映画館の1,800円って高く感じてしまうのですが上映が終わった後にこれだけ元をとれた気分になったのは初めてでした。
アレックスに共感しそこからくる興奮とかではなく、アレックスのしていることは理解できないとしながらも、生物として惹かれている。
自分ではしようと思わないし、したくても出来ない。共感はないが純粋にかっこいい、魅了される感覚。カリスマに支配されるとはこのことかと思うようなよくわからない高揚感を得ました。
ちょくちょく書いてるのですが以下感想。
フリーソロ/感想
アレックス・オノルドは文句なしにすごい。自分ごときがすごいというのもおこがましく感じるほど異次元の存在。
ただのアドレナリンジャンキーや無鉄砲の類と思いきや、何回もロープを付けて繰り返し練習をする挑戦・修正・シミュレーションを繰り返し成功率を完璧にしていく、ひたむきに最善を尽くしていく。
完璧などこの世にないと言いますが、完璧に登れなければ待つのは死なのでやるしかないですよね。
意外にもアレックスは死を恐れる気持ちもあり(恐怖心は感じにくいらしいが)、生きて帰るための努力を惜しまない。
ただ自分がフリーソロで登ることで生を感じる事ができるというアレックスの発言は、死と隣り合わせでしか生を実感できないということで・・・。
お金もあるのに避けられる危険になぜ自分から飛び込むのか不思議でしたが最後はアレックスにとってフリーソロはスポーツではなく生き方なんだなと感じました。
映画としての感想は、ドキュメンタリーと頭でわかっていても話が進んでいくうちにどんどん現実味が感じられなくなっていく不思議な映画です。
ドキュメンタリーじゃなくてCGじゃん?というくらい美しいナショジオの映像とやっていることが規格外だからそう感じてしまうのでしょうね。
下手なフィクション映画よりサイエンス・フィクションしているなと感じたり、撮影クルーや監督が映画では被写体となってよくでてくるのですが、そこが奇妙なメタフィクションの様にも感じました。
全体を通して主人公のアレックスより撮影隊の葛藤の方に感情移入してしまう。
ドキュメンタリーを製作するにあたって、撮影者の存在が必要不可欠であるがその存在がアレックスの挑戦へマイナスになっていることをみんな理解している。
実際アレックスは先輩クライマーに
「取り巻きから離れろ、登る理由に自分以外の異物が入るとダメになる。」
と忠告を受けています。(確かこういった類の言葉ですね。うろ覚えですみません。)
アレックス自身は後半吹っ切れているのだが監督、撮影クルーは最後まで煮え切らない。
もう友人と呼べる関係性を築いているアレックスを含めた撮影チーム。
自分たちのせいでアレックスが死ぬところを見たくない、撮りたくないという気持ちからくるものでありその葛藤にはとても共感できました。
それでも前代未聞のフリーソロを一部始終カメラに収めているのがこの作品のすごさでもありますね。
「今日は重力が小さい日になれ。」は友人への切実な思いからの言葉であり胸に突き刺さった言葉でした。
そして忘れてはいけないのは、アレックスの彼女サンニ。
可愛いんですよ、可愛いんですが、すごく女の子なんです。
例えるならラ・ラ・ランドに出てくるような女性なので異物感がすごい。
自分のミスでアレックスに大怪我をさせたときに、別れようか迷ってるアレックスに向けて
「あなたは夢と彼女両方手に入れてもいいのよ。」
と言い放つ神経の図太さ。
ただね、この異物感がこれはフィクションじゃなくてリアルなんだということを思い出させてくれるんです。
結果としてサンニの存在がとてもいいフレイバーになっているわけです。
最後の最後のオチも野暮ったくて僕は好きでしたね。
クライマーなら見て損はないですし、もし僕がクライミングに興味がなかったとしてもこの映画は楽しめていたと思います。では
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