カチピンです。
ジムでも外でもそうですが爪が剥がれやすく爪と指の間から血がにじみ出てくるという事が多く困っています。
その通り。
もし爪がなければ、指の腹に加わった力を跳ね返したり受け止めることができなくなります。
この受け止めたり、跳ね返すことは爪圧(そうあつ)と呼ばれ、手の爪圧が強ければ強いほど指に力をこめる事ができたりボールを早く投げる事ができます。
また足の爪圧が強ければ蹴りだしの力も比例して強くなり、全体のボディバランスも良くなるのです。
たかが爪、されども爪。
アスリートが自身のパフォーマンスを最大限に発揮するには爪のメンテナンスからは目を逸らすことはできないのです。
特に爪圧はスポーツには欠かせない重要なファクターであることは間違いありません。
爪についての基礎知識
爪は皮膚や髪と同じケラチンというたんぱく質からできています。
そもそも爪は骨ではなく皮膚に近いのですね。
爪は硬いケラチン、髪の毛は柔らかいケラチンからできているんですね。
そして爪は三層構造により構成されています。
上からトッププレート(背爪)・真ん中の層はミドルプレート(中爪)・1番下の層がアンダープレート(腹爪)この三層のケラチンが縦⇒横⇒縦の順番になることにより爪特有のカーブができるのです。
爪の伸びるスピード
爪の伸びるスピードは健康な成人で1日約0.1mm。1カ月に約3mm。
乳幼児や高齢者で0.07~0.08mmといわれています。
爪の伸びるスピードの全盛期は20歳ごろとされ、爪は年齢が増すごとに厚みが出るため50代以降からは伸びるスピードが遅くなります。
また手と足では足の爪の方が成長スピードは遅くなります。
考えてみれば足の爪の方が厚みがあるので当然ですね。
足の爪は手の爪の約1/3のスピードになります。
そして面白いことに爪は冬より夏の方が伸びが早くなるのですよ。
爪の剥がれ、爪甲剥離(そうこうはくり)とは?
爪の剥がれは爪甲剥離(そうこうはくり)とも呼ばれます。
爪甲剥離の原因はほとんど外力によるものですが、意外にも爪が剥がれるのに強い力は必要ありません。
皮膚と爪は強力に張り付いているわけではなく、爪は皮膚の上に乗っているだけに等しいのです。
正確にいえば爪の裏に生えているハイポ二キウムという皮が接点になっています。
このハイポ二キウムに力がかかると爪は徐々に後退し剥がれに繋がります。
弱い力であってもそれが継続的に続けば爪は簡単に剥がれます。
例えばパソコンのキーを指を立てながら打っていればそれだけでも剥離を招く可能性があります。
クライミングでは指の先端に力を集中させるカチ持ちという持ち方がありますね。
カチ持ちは指への負担のみならず爪甲剥離の原因にもなるはずです。
しかし僕の経験上カチ持ちをした時よりもデッド時に勢いよくホールドを取り損なって壁なり岩なりに指先をぶつけたときの方が爪甲剥離になる確率が高い気がします。
何より問題は剥離したあと指に力が入らなくなることですね。
これは深爪でも同じことが言えます。
爪甲剥離や深爪といった爪のトラブルは前述した爪圧が機能しにくくなるのです。
日常生活でもクライミングでも指先に力が入らないのは困りますね。
できるだけ爪のトラブルを引き起こさないために僕らにはどんな対策が取れるのでしょうか?
クリップタイプの爪切りは意外と負担をかけてしまう
多くの人が使用しているクリップタイプの爪切りは、丸くカーブしている爪を無理やり平たくして切るので負担がかかってしまいます。
クリップタイプの爪切りで爪を切ると約26kgの負担がかかってしまいます。
ビール瓶1ケースが約20kg、電動アシスト自転車が約30kgだと思うとかなりの負担が爪にかかっていることが想像できますね。
前述したように爪は三層構造で形成されています。
三層構造の層と層の間には水分と脂肪が入っているのですが、爪切りで切ると断面が広くなりそこから水分が逃げることで乾燥します。
乾燥した爪にクリップタイプの爪切りによる26kgの負担は二枚爪などのトラブルの原因に繋がるのです。
そして爪先が見えなくなるクリップタイプは深爪しやすくなってしまうデメリットがあります。
深爪は意外と厄介?
自分の爪をよく観察してみて下さい。
先端は白く、その少し下はピンク色ですよね?
この爪の下にあるピンク色の部分はネイルベッド(爪床)と呼ばれ、爪の土台となります。
このネイルベッドが露出した状態がいわゆる深爪であり様々なトラブルを引き起こす原因にもなります。
指先には毛細血管や神経が集中しています。
爪はそれを防ぐ鎧のような役割をしているのですが、深爪とは鎧を着ていない無防備な部分を晒すことになるので指先から菌が入りやすくなったりと様々なデメリットを招きます。
ではどうすればいいのか。
ニッパータイプの爪切りを使用するのがおすすめです。
日本で主流の爪切りといえばグリップタイプになります。
しかしヨーロッパなどではニッパータイプの爪切りが主流になります。
日本でもネイルアートや介護現場などでニッパータイプの爪切りを見ることがありますね。
ニッパータイプは一見使いにくそうですが、プロが使用している道具ということは何かしらメリットがあるはずです。
調べてみましょう。
余談ですが、一時期レーシック手術が流行っていた時にTVでレーシックのよさを語る眼科医が全員眼鏡をかけていた時、これが本当の『目は口ほどに物を言う』だなと自分でも上手いことを考えたもんだと感心したことを思い出しました。
ニッパータイプのメリット・デメリット
まずメリットから紹介していきましょう。
メリット
ニッパータイプの爪切りは爪への負担のみならず自身の手への負担も減少してくれます。
通常の爪切り、いわゆるクリップタイプの爪切りを使用するときはどうしても爪切りの刃を自分の方向に向けることが多くなります。
注目してほしいのはこの時に、手首が直角近くまでに曲がっていることです。
クライマーの方なら経験があるかもしれませんが、手首が曲がっている状態で指先に力を籠めるのは至難の業です。
実際に皆さんも手首を曲げた状態で握りこぶしを作ってみてください。
僕はギリギリできますが手首・前腕にハリと痛みがあるので身体にはよくないのでしょう。
詳しくはこの記事を参照してください。
ドケルバン症とばね指/腱鞘炎には2種類あり、その違いと対策を知ろう
そして力が入らないのにはもう一つ理由がります。
グリップタイプは小指を添えることができないのです。
小指を立てて握りこぶしを作って下さい。
全く力が入りませんよね。
製品の構造上力の入らない持ち方しかできないことにより爪は硬いものというイメージがありますが。
意外と爪は柔いものなのですよ。
その点クリップタイプならば手首を曲げることもなく小指含めたすべての指の力で操作する事ができます。
親指と小指を使用できるというのは握る力を最大限発揮する上では大切な要素となります。
パワーコントロールしやすいというのは無駄な力(負担)を爪側にもかけることがないという事です。
このパワーコントロールしやすいというのは利き手でない方で使う際に大きなメリットとなります。
ニッパータイプは利き手じゃないと使いづらいよというイメージを持っている人が大半だと思います。
しかし利き手じゃない方で切るからこそ力が調整しやすく楽に爪を切る事ができニッパータイプがおすすめなのです。
そしてもう一つはどれだけ爪に刃がかかっているかが一目瞭然であること。
クリップタイプの様にパチッと豪快に深爪をしてしまうこともありません。
ニッパータイプの爪切りは、プロのための爪切りではなく、むしろ技術や力がなくても使いやすいものであることが分かりますね。
デメリット
切った爪がいきよいよく飛んでいくのはデメリットと言えるでしょう。
これは風呂上がりの爪が柔らかいときに切ることや刃の反対側を指で押さえながら切るといった小技を使用すれば解決しますが、ある程度の慣れは必要になりますね。
最後は爪やすりで整えよう
どうしても爪切りだけでは理想的な爪の形を作るのが難しいです。
そんな時は爪やすりを使用しましょう。
プロ野球の投手は基本やすりで爪を処理しています。
やすりで全て整えるのは大変なので、クリップ型の爪切りで大まかに整え、やすりで必要な形に細かく調整していくのがベストだと感じます。
爪やすりにも金属タイプ・ガラスタイプ・ペーパータイプと大まかに三種類の素材があります。
僕が使用しているのはガラスタイプのやすりになります。
ガラスなので落とすと割れることがあるというデメリットはありますが、使用後は水洗いできてやすりも減りにくく比較的長く使用できること。
力加減の調整がしやすく、細かい部分が削りやすいことから三種類の中でもガラスの素材がおすすめです。
最大限のパフォーマンスを発揮するには爪のコンディションも重要
いくら指を鍛えたとしても、それを受け止め跳ね返してくれる爪に問題があれば最大限の力を発揮することはできません。
努力して鍛えたのに爪を疎かにしてせいで実力を発揮できないのは大変勿体ないことです。
爪切りを使い慣れていないクリップタイプにしたり、爪やすりで形を整えたりと確かにめんどくさいかも知れません。
ただそれで少しでもグレードアップできるのなら僕は喜んでそうします。
見た目的にも爪が綺麗に整っている方が人間といて魅力的ですしね。
では
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