同じことを続けていると必ず立ちはだかるものがあります。
それは停滞期です。
あなたもクライミングを始めたばかりの頃は成長が目に見えて感じられたことでしょう。
クライミングジムに行くたびに楽しい感情で心が埋め尽くされていたと思います。
- ぐんぐんと登れるグレードが上がっていく
- 傾斜の強い課題も完登できるようになった
- 懸垂ができるようになった
などなど。
仕事や勉強でも当てはまりますが人は成長や成果が実感できるうちは頑張れるのです。
しかし、上限の差はあれどその状態が永遠に続くことはありません。
大半の人はそのあと待ち構える伸び悩みと向き合わなければいけません。
結論からいいますと伸び悩みにより僕は1度クライミングをやめています。
そして1年後復帰し30歳中盤でジムグレードを二段へ更新しました。
・クライミングを続けているけど停滞期で数年成長が感じられない
・現状打破のヒントが知りたい
・トレーニングジムの継続方法
もし僕の経験があなたの成長のヒントになればこんなに嬉しいことはありません。
それでは詳しく説明していきます。
伸び悩みとやる気の低下
根っからのアスリート気質であり、目の前に立ちふさがる壁が大きければ大きいほど燃えてくる。
そんな本田圭佑のようなメンタリティを持っている人であれば伸び悩みなんてものも楽しめるのかもしれません。
しかしそんな人間ばかりではありませんよね。
上記の通り僕は一度クライミングを1年ほど辞めています。
日本中にコロナが蔓延していた時期です。
この時期にクライミングをスッパリ辞めてしまった人も多いのではないでしょうか?
今冷静に思い返すと僕に関してはコロナだからというのは理由の一つではありましたが建前の要素も強かったと思います。
何年も成長がみられない自分に対しての苛立ちがボルダリングから離れる大きな理由でした。
その時にちょうど仕事が忙しかったのも大きな要因でした。
ただ仕事も永遠に忙しいわけではなく。
ふとまた壁を登りたいという思いがふつふつと湧いてきました。
自分にとってクライミングはそう簡単に手放せないものだったのか、ただ自分の性格が女々しかったのかはわかりませんがクライミングを再開することにしました。
再度立ちふさがる壁
それでも前のグレー感(得意系の1級はワンデーで完登できるくらい)に戻るのには2カ月くらいと思っていたより早かったように感じます。
この時はマッスルメモリーて本当にあるんだなと感心しました。
問題はここから。1級と初段の壁を乗り越えなくてはまたモチベーションに左右され辞めたり戻ったりの繰り返しになることは明白でした。
自分自身同じことの繰り返しはどうしても避けたい。
そこで1度どうしてらこの状態を打破できるのかを真剣に考えました。
前と同じことを繰り返していても何も変わらないのは自分での理解していたしこれが最初で最後の変わるチャンスだとも気付いていました。
初段を登っている格上のクライマーと自分にはどんな差があるのだろう、自分はどういったタイプの登りをするのだろうと自問自答しました。
僕はテクニックで強度をいなしながら登れるタイプのクライマーではなくフィジカルでゴリ押し通す不器用なタイプの登りしかしてきませんでした。
それが一番頭を使わずにできて自分的には楽だったのです。
そこで2つの選択肢が生まれました。
①このままフィジカルを強化して突破力を上げる
②スラブ・緩傾斜で脚の使い方を覚えテクニックでいなせるようにする
僕がボルダリングを始めた特に憧れた登りは①のフィジカルでねじ伏せるものでした。
そして30代半ばに差し掛かろうとしている自分が今更細かいテクニックを身に付けたり柔軟を駆使して課題を登ったりてするのは正直あまり想像できない。
今までの自分を振り返って初志貫徹の精神で僕は①の道を進むことに決めたのです。
伸び悩み打破のためにとった行動
この停滞期を突破したい。
そう思ったとき考え出した答えがフィジカル強化しながらの減量でした。
体型という一番分かりやすくて一番目を背けていたことに初めて向き合いました。
いままでは体型まで気にするのはトップ層の話であり自分にはあまり関係ないことだと思っていたのです。
しかしどこのジムでも初段をコンスタントに登っているクライマーはほぼ全員身体が引き締まっていることに気付きました。
それは今思えば当然のことでジムでの段グレードとは凡人が努力を積み重ねてやっと登ることができるもの。
だからこそ価値があるのです。
クライミングでの体重が軽いは莫大なメリットがあります。
同じような体格であれば体重が軽い方に軍配が上がる確率の方が高いでしょう。
ガリガリで筋肉も贅肉もなく軽いではなくしっかりと筋肉はあるが無駄な肉がない引き締まった体型がクライミングでは理想です。
ただ体重を落とすのではなく根本的に肉体改造をしようと思い立ちました。
登りでそこまで追い込めればいいのですが、僕は元来指皮がそこまで強いタイプでもなく連登するとボディーより先に指が痛くなってしまいます。
クライミングだけで理想のボディーになれるのが1番いいですし、登り込むことこそ強くなる近道だとは理解はしていましたが現実は身体がついていかなかったのです。
そこで流行りの低価格で24時間いつでも利用可能なトレーニングジムに通うことにしました。
通って気付いたトレーニングジムのメリット
最近多い24時間いつでも使用できるジム。
僕にはすごく合っていました。
仕事柄急な残業があるのですが、クライミングジムだと営業時間が限られているため仕事が長引いたときは体を動かしたい気分でも諦めていたのです。
しかし24時間営業のトレーニングジムならば朝早くや、夜遅くでも利用でき柔軟性・便利さを強く感じました。
混んでいる時間はあえてずらし自分のペースでトレーニングできるところも気に入っています。
僕が特にいいなと感じたトレーニングジムならではのメリットを3つ紹介していきます。
- 時間の節約になる
- 好きな部位を鍛えられる
- 有酸素運動ができる
①時間の節約になる
これは個人的に1番のメリットに感じました。
クライミングジムに行くと最低1時間以上はジムで過ごします。
ひたすら登ったり友人や顔見知りの人がいれば会話もするでしょう。
狙っている課題がありレストを挟めばさらに時間はかかります。
しかしスポーツジムなら滞在時間は平均1時間といったところです。
長時間のトレーニングは筋肉の形成に必要なホルモン分泌を妨げ筋肉を細くしてしまう可能性があり基本的にトレーニングは短くそして質をよくを心掛けました。
長時間のトレーニングは怪我のリスクも高まるでしょう。
クライミングのために鍛えているのに怪我をしてしまったら本末転倒ですね。
なので短期集中がオススメです。
②好きな部位を鍛えられる
僕の場合、上半身はクライミングをやっていれば必然的に鍛えられる登り方をしていたのでトレーニングジムでは下半身をメインで鍛えることにしていました。
人間の筋肉量は下半身に集中しています。
トレーニングによって下半身の筋肉量が増えれば基礎代謝も高まり太りにくく痩せやすい効率の良い身体になるのです。
重量を扱いながら行うスクワットは正しいフォームを意識することによって体幹部にも大きな刺激が入ります。下半身+体幹のトレーニングにもなり一石二鳥ですね。
➂有酸素運動ができる
有酸素運動はどこでも行えますが、冬の寒空や夏のカンカン照りの中で継続的に続けるのは相当な強い意志が必要です。
トレーニングジムのエアロバイクは個人的にとても優秀なツールだといえるでしょう。
なぜなら『ながら』で行う事ができるからです。
僕はウエイトトレーニングの前にアップのためバイクを30分漕ぐのを習慣化させました。
漕いでる間小説を読むことによって予想もしなかった相乗効果をもたらしたのです。
今日は体を動かしたい気分だからジムに行こうという日。
今日は本を読みたい気分だからジムに行こうという日。
全く違う二つの気分。
それでも辿り着く場所は同じトレーニングジム。
この不思議な現象のおかげで特に苦も無くトレーニングジム通いは習慣になりました。
トレーニングジムとクライミングで相乗効果
トレーニングジムに週2回(短時間)、クライミングジムに週2回。
そんな生活をしていると徐々に身体が軽くなるのを感じました。
そして1ヶ月くらいでポップな初段なら難しめの1級をトライする感覚で完登することができるようになったのです。
それからは早かった。
復帰前は難しめの初段だと全く歯が立たないパートが何か所もあり完登を早々に諦めていました。
しかしトレーニングジムに通うようになってからというもの
「何かが嚙み合えばこのパートはできるのではじゃないか」
「全く無理という気がしない」
と思えるようになってきました。
グレードの壁を超えるときはいつだってこういった感覚があります。
絶対無理ができるかもしれないに変わるのです。
それはポップな初段を落とせるようになって得た自信が関係しているのかもしれません。
そうなると登りも楽しくなっていきます。
トレーニングジム通いで少なからず体力もついてきたことにより高グレードを日常的にチャレンジできるようになりました。
負荷の高い課題を毎回触っているとクライミングで必要な筋肉が発達していきます。
身体が軽くなり動きにキレがでる⇒高グレードを日常的にトライできるようになる⇒いつの間にか身体が負担になれ最終的に完登できる
こういったいい循環ができるようになったのです。
クライミングジム&トレーニングジム生活は初段を登れるようになってからも続けました。
ストイックにというよりは成長と成果が感じられどちらも楽しめていたのです。
すごくいい相乗効果だったと今でも思います。
そして人間というのは目標を達成すると更なる高みを目指したくなるもの。
自分では到底できるはずがないと思い込んでいた2段へチャレンジするようになったのです。
やはりそう簡単には登る事ができませんでしたが、幾度もチャレンジしたことにより人生初2段を登りきる事ができました。
現時点で他ジムも合わせ10本弱2段を完登する事ができています。
2段となると幅も広く到底太刀打ちできない2段がほとんどですが諦めなければ登る事ができる2段があるのも確かです。
クライミングにとってグレードだけが全てではないことは承知しています。
ただ自分の限界少し上を超えられた時の喜びは何物にも代えられないのも事実。諦めなかった人だけに贈られるギフトだと思っています。
まとめ
長々と自分語りをしてしまい失礼しました。
僕としてはいまだに趣味は楽しければいいという考えです。
しかし自分という人間が成長を感じられなければ楽しめない性分だったということですね。
そういった面を発見できたのもクライミングをやっていたおかげだと思うとなんてすばらしいスポーツなんだと再認識します。
スポーツ・仕事・楽器どんなことでもそうなのかもしれませんがやったらやった分だけ伸びていくという事はありません。
成長が止まったならやり方を変えなければそれ以上の成果は得らないのです。
しかし諦めなかった人だけに突発的に起こる急激な成長は実在すると確信していますそれがいつ来るのかが分からないだけで。
と偉そうなことを言いましたが僕は1度諦めてまた舞い戻った身分です。
やりたくなったらまたやれるのが趣味のいいところでもあります。
1番大切なのは楽しむことかもしれません。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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